2019/11/06

 

最近は何にも考えなくなった。どうせ悩みは尽きないし私がどれだけ悩んでたってそこら辺の同世代の若者たちは恋人とエッチなことばっかりしてるんだろう。阿呆らしい。阿呆らしいから何にも考えなくなった。気持ちが良くなる「何か」くらい私にだって分かる。

 

でも、分かんない。好きだった人を好きにならなくなってまたすぐに違う人を好きになること。会いたい気持ちがなくなって、心配する気持ちもなくなって、それがまたすぐに違う人へ向いてしまうこと。どんなけ想像をしてみても分かんなかった。分かりたくもなかった。愛せなくなる日が来るんだったらはじめから愛さなくてもいい。はじめから愛してなんて、ない。

 

新しい仕事を始めた。今まで色んなことを覚えたり学んだり教えられて生きてきたのにまた新しく色んなことを覚える日々が始まった。何事も無駄にはしたくない。これでいいんだよと言ってあげたい。私は何者にもならないしゴールにも辿りつかない。本当はもう何もいらない気がするけどそうもいかなくて苦しい。

 

いつまであの頃の話をしてるんだろう。頭の中によぎる景色が色褪せないんだ。美化するわけでもなく老化するわけでもなくあの頃のまま、ずっと色褪せないんだ。恋愛映画を観終わった日の夜なんて、最悪だ。滅多に飲まないお酒のせいか涙が止まらなくなる。

 

人生の課題。親のこと。市役所の手続き。新しい出会いや懐かしい再会。これからのことを考えるときは誰でもいいからそばにいて欲しい。ひとりぼっちじゃ光すら差してくれない。そのときは泣いたりしないから。だからお願い。誰かそばに寄り添っていて欲しい。

 

宝物って割とすぐボロボロになる。大切にしてるから綺麗なわけじゃない。大切だという強い気持ちがそのものに伝わっているんだろう。消えてなくならないで、そう思えば思うほど遠ざかるのは何故だろう。押し潰されて壊れてしまうまでの愛をどうして信じてもらえないんだろう。

 

人は強くなったり弱くなったり忙しい。自分の強さも弱さも味方につけて誰かを傷つけてはいないか。人の強さも弱さも利用して誰かを悲しませてはいないか。結局はどっかの誰かも今の自分も同じなんだから。眠くなるその瞬間まで互いを思いやり生きなくては。

 

気付けば、明日になっていた。ということはもう今日になっていて私はまた新しい仕事をするために自転車を漕ぐ。次に天気の良い日がやってきたら目的も決めずに自転車を漕いでみたい。どこまで行こう。どこまででも行ける気がする。だけど本当はお金を貯めて夜行バスに乗りたい。窓の外の小さな光を、集めたい。

 

最近は何にも考えなくなった。正確に言えば何にも考えないようになった。もうすぐ届く少し値段が高かった本を大切に読もう。私の悩みなんていい本に出会えればどこかへ消えていくようなちっぽけなものだから。気持ちが良くなる「何か」くらい私にだって分かる。