2019/06/12

 

坂元裕二という天才に出会ってしまったばかりに私の人生はグラッグラだ。正解なんてないことは分かりきってるはずなのに映画の主人公になろうとしてしまう。それでも私は悲劇のヒロインにすらなりきれない。

 

心に余裕がない。あまりにもない。きっとどの選択をしてもどの答えを見つけても私が私である以上は心に余裕は生まれない。みんなが羨ましい。私は死ぬまで私で生きていかないといけない。それはあまりにも難しいしあまりにも大きな試練だ。

 

上手く笑えなかったり、跡が残らない程度の傷を増やしてしまったり、財布の中身を確認しないで甘いものをたくさん買ってしまったり、私の毎日はいつになっても大丈夫にならない。いつになってもこんな文章しか書けない。人に迷惑をかけてばかり。

 

今の仕事にはやり甲斐を感じてる。今の自分になりたくて何年間も夢を見ていたはずだった。学生時代に一生懸命闘ったから今の景色に出会えたはずだった。本当は続けていきたい。そしてもっともっと色んな景色に出会いたい。なのに頑張りたい気持ちに私の全部が追いつかない。釣り合わない。そのくせ大きな大きな夢を今でも見続けている。馬鹿みたいで笑っちゃうな。

 

夏の匂いがした。夏が始まる。阿部真央の貴方の恋人になりたいのですが聴きたくなる。プロポーズ大作戦が見たくなる。終わらない青春を、今年もまた始めたい。誰かと一緒に始めたい。

 

幸せなメロディと歌詞なのにちょっぴり切なくなる曲が好き。電車から聞こえる踏切の音が好き。氷が溶け始めた頃のカルピスが好き。夕方5時のチャイムが好き。半分こして食べる肉まんが好き。優しくてあったかくて何でもない普通の日々が永遠に続いてくれるのなら私の中にはもう「好き」しか残らないのに。

 

お菓子作りがしたい。りくろーおじさんのチーズケーキが食べたい。車で遠出をしたい。無印で大人買いをしたい。映画を撮りたい。本を書きたい。笑いたい。幸せになりたい。簡単に手に入る幸せに縋りたい。

 

今日もだめだった。昨日の夜、今日はだめじゃないはずだと信じたのにやっぱりだめだった。CDが届いたりメロンパンを食べたりはしたけど、泣いたり血を出したり着信を無視したりもしたから結果的にだめだった。明日は家を出る時間がゆっくりだからまただめじゃないはずだと信じてみようと思う。

 

私の人生がグラッグラなのはこれからの人生が大丈夫になっていくからなのかもしれない。少しだけ前向きに考えるとそんな気がしてきた。夏が終われば色んなことが終わる。だけどまた始まるから大丈夫だよ。自分が天才になっちまえばいいだけだ。そういうことだ。