2022/08/24

 

嘘をついていることがものすごく辛いと感じる日が多くなってきた。夜になると暗い部屋の中で色んなことを考えてしまうし思い出してしまう。私はただ誰も傷つけたくないだけなのに上手く誤魔化しきれていない気がして時々怖い。このままだと死んだあとは地獄行きかもしれないなあ。子供の頃に見たパパの涙が未だに忘れられないんだよ。張り裂けそうな心を抱えてまでも守りたい今の生活って。

 

ある映画がきっかけである記憶が蘇った。まだママが家に居た。月に何度か早めの夕飯を済ませてパパとママと車で出かける日があった。団地の一室で知らない大人たちと円になりお喋りをする集まり。小学生の私は一人、与えられたお菓子を食べながら大人たちの話を聞いていた。山を登ったり湧き水を飲んだり見えない何かに手を合わせたりもしたことがある。いつも帰りは線香の匂いで包まれた。家でもよく鼻にする匂いだから気にならなかった。

 

じいちゃんは手術ができない状態になってしまったとパパから連絡が来た。ばあちゃんも倒れてからは少し言葉が聞き取りづらい。やっぱりこのままだと私は私を許せなくなる。夜になると暗い部屋の中で色んなことを考えてしまうし思い出してしまう。優しい人の為に優しくありたいが為に間違えてばかりで。暑い夏を乗り越えると多少は救われてくれないだろうか。救われたく許されたい。

 

マイケルジャクソンが亡くなった日は雨が降っていた気がする。洗濯物の生乾きの匂いと薄暗いリビングの光景がやけに生々しく残る。私は家族が大好きで、とてもとても守りたい存在だった。いつからかママはよく家出をするようになって三階で寝ている日も多くなって最後は帰って来なかった。パパと車で会いに行ったママは私と一度も目を合わせてくれなかった。面白かったドラマの内容を紙いっぱいに書いて渡した手紙はちゃんと読んだらしい。

 

嘘をついていることがものすごく辛い。パパが私にしてくれた全部を思い出してよく泣いている。ママはもう元気になったから何も心配はいらないよと言うと「良かった」と笑う。記憶の中で生きていると何もかも分からなくなってしまう。じいちゃんとばあちゃんに会いたくて、パパとママと車で出かけたあの夜も恋しくて、目を覚まして見える今の生活になんとか持ち堪えています。