2022/05/12

 

本とかスマホを裏返して置く癖がある。人前でご飯を食べるのが苦手。ウォークマンでどんな曲を聴いてるのか見られるのも苦手。自分から発信してる分には構わない。こうして文章を誰でも読めるところに放置しているくらいだから。ただ私が知らないところで私がどんな本を読みどんな映画を観てどんな文章を書いているのかをバラされるのは嫌だ。

 

夜行バスが好きだと言った。新幹線よりも飛行機よりも身体に負担がかかる夜行バスが好きだと。だけど実際、二十歳くらいから夜行バスには乗っていない。目を瞑り想像の中でしか乗ることができない。最後に乗ったとき、初めて顔に蕁麻疹が出た。足はむくみ靴が入らなかった。目も腫れてライブ前だというのにメイクができなかった。私は本当に夜行バスに乗りたいんだろうか。

 

好きなものは多いけど何が一番好きかと聞かれると分からない。映画は好きだけど基本的に邦画しか観ない。そう言えば「洋画も観ないで映画を語るな」と言わんばかりの顔をされる。日本人なんだから仕方ない。音楽は好きだけどだいたい聴く曲は決まってる。スピッツが好きなのにライブには行ったことがないから堂々と好きと言えない私が居る。服は好きだけど人並み程度だ。服を売買する仕事をしているから知識ばかりが増えて金ばかりかかる。ブランドにこだわらないところが私の良さだったのに。

 

端的に言うとつまらない人生。私がそう思うんだからそうなんです。辛い幼少期なんて大人になると短所にしか結びつかない。吹奏楽部での経験を活かせた試しがない。色んな仕事をしてきたけど、結局は自分の弱さに負けてしまった。なんとなく話の流れで「東京でこういう仕事をしてました」なんて言うけれど自慢できることなんて一ミリもない。本当になんとなく、なんとなくなんとなく働いてただけなんです。見栄張ったみたいでなんかすいません。

 

吐き出し口がここくらいしかない。誰かが読んでようが読んでなかろうが書き溜めていくしかない。毎日残そうと思えば残せるほど、頭の中はずっと忙しいんだけど。そうするとまた存在価値を見失い死にたくなるループに飲み込まれるであろう。読んでる本で私という人間を想像しないでほしい。聴いてる曲はたいていバラードかアイドルソングです。このスマホカバーはお気に入りだから「可愛いね」とでも言ってもらえると。