2022/02/16

 

そろそろ自分の年齢が怖い。世間的にはまだまだ若者で、誰に話しても「まだまだこれからだ」と言われる。でもこんなにも怖いことはない。私よりも長く生きている人間はこの恐怖を無事に乗り越えてきたのか。それとも恐怖だと感じなかったのか。どちらにせよ、怖いのだ。

 

何が怖いって、過去が増えていくこと。鮮明に映像として残る記憶がどんどん遠のいていくこと。冬季オリンピックが始まった。前にちょろっと付き合っていた人と東京の家でアイスを食べながらカーリングを見たのはもう4年も前のことなのか、とか。余計な記憶も多々あるけれど二度と戻れない細やかな幸せは忘れてしまえた方が身のためなのに。

 

周りがどんどん結婚する。別にそんなことはどうでもよくて、私に結婚願望があるわけでもない。ただ結婚をすることが当たり前の年齢になったことが怖い。あまり他人の恋愛に興味がなく、どこの誰が結婚したとて「へぇ」としか思わなかった。でも最近の私は「へぇ」に加えて「私はどうしてこうなんだろう」と考えてしまうようになった。

 

いつも行く薬局のアプリにはよくクーポンが発行される。普段は何も考えずラッキーと思って使っていたけれど、よく見ると年齢制限があった。「〇〇歳以下の方限定」という文字に初めて気付いたときは本当に怖かった。あれ、もしやこのクーポンを使えるのって今年で最後なのか?鳥肌が立った。

 

いつまでも子供でいたいわけではないし、大人扱いされないと腹が立つ。過保護な親にもときどき嫌気がさす。それなのに年齢を重ねることがこんなにも怖い。結局は私自身の問題であり、私だけの課題でもある。恐怖と立ち向かう度胸がなくても今年の誕生日はあっという間に訪れる。

 

一寸先の未来さえ想像できない。誰にも何も言われていないのに「こんな私でごめんなさい」と常に頭で唱えている。安い給料で高い化粧品を買ってごめんなさいとか、こんな身分で偉そうな意見を口にしてごめんなさいとか、私なんかのために予定を組んでくれてごめんなさいとか、そんなことばかりを思っている。歳ばかり重ねてごめんなさい。

 

あーあ。今年の誕生日が怖いなあ。