2020/06/20

 

好きなアイドルがアイドルを辞めた。この事実は彼の家族でも友人でもない私にとって一人の人間が死んでしまった感覚となんら変わらないように思う。

 

割と冷静です。お腹も減ります。だからこんなにも早く言葉にします。本当はしばらくの間音沙汰もなく悲劇のヒロインぶろうかと思っていたけど。今日からが闘いなんだなと思います。好きなアイドルがアイドルではない人生、私自身も初めてだから。未知の世界に足を踏み入れるとき不安を感じない人間はいないです。

 

好きなアイドルを好きになって十年以上。好きなアイドルが所属していたグループを好きになってからは十二年以上。これは私の人生の半分以上。こんなにも長い期間を彼に費やして生きてきたのです。

 

ママが病気になって親が離婚してそんなときでも好きなアイドルだけが唯一の光でした。友達に裏切られて彼氏に振られてそんなときでも好きなアイドルだけが唯一の光でした。側から見れば気持ち悪いですか?馬鹿馬鹿しいですか?私は心の底から好きなアイドルが好きだったんです。光がないと生きていけないでしょう?

 

好きなアイドルが所属していたグループはそれはまあ波乱万丈でして。私がグループを応援するきっかけになったアイドルも既にいません。なんていうかいつになってもピースの揃わないパズルみたいなグループでして。それがまた良さでもあったんです。

 

彼は今日から新しい道を歩み始めます。正直、好きなアイドルのアイドルではない部分に興味がありません。彼も自分を好きでない人間に興味がありません。そういうことです。そういうことなんだと思うと涙が出ました。

 

ひとまず文字を書いてみた。こんなの私の涙一粒分にも満たさないほどの言葉。今日からが闘いなんだなと思います。来週は私の誕生日。誕生日は好きなアイドルが所属していたグループのライブに行く予定でした。好きなアイドルはアイドルを辞めた。やっぱり永遠なんてものはこの世に存在しない。